お爺さんが車をぶんぶんまわして、桃色の綿菓子をつくっていた。あるかなきかの桃色の泡が真鍮 の桶 の中から湧 いて出てくると、これが霧のような綿菓子になる。長い事草花を見ない私の眼には、まるでもう牡丹 のように写ります。
林芙美子 / 新版 放浪記 ページ位置:59% 作品を確認(青空文庫)
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わたがし
屋台・出店
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前後の文章を含んだ引用
......ヲサキニダシマショウカ。何と他愛もない事なのだろう。吉田氏へ手紙を出す事にきめる。さて、音のしなくなった足をふみしめて街に出てみるなり。 湯島天神に行ってみた。お爺さんが車をぶんぶんまわして、桃色の綿菓子をつくっていた。あるかなきかの桃色の泡が真鍮 の桶 の中から湧 いて出てくると、これが霧のような綿菓子になる。長い事草花を見ない私の眼には、まるでもう牡丹 のように写ります。「おじいさん! 二銭頂戴。」子供の頭ぐらいの大きい綿菓子を私はそっと抱いた。誰もいない石のベンチでこれを食べよう。綿菓子を頬ばって、思うまじ見まじとすれど我家か......
単語の意味
真鍮(しんちゅう)
草花(くさばな)
真鍮・・・亜鉛と銅の合金。金のような美しい輝きがあり、5円玉の素材でもある。引っ張ったり叩いたりしても、割れたりちぎれたりしないので用途が広く、板や箔、精密な鋳物などにも加工される。黄銅(おうどう・こうどう)ともいう。
草花・・・花を咲かせる草。また、草に咲いている花。
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わたがしの表現・描写・類語(和菓子のカテゴリ)の一覧 ランダム5
子供の頭ぐらいの大きい綿菓子
林芙美子 / 新版 放浪記
少し焦げたみたいな香りと、貼りつくんだか溶けるんだかわからないざらついた感触は、たしかに煙っぽいかもなと思った。
三浦 しをん「神去なあなあ日常 (徳間文庫)」に収録 amazon
透明の覆いのなかで、おじさんがまわす割り箸に雲がまとわりついていく。いつ見ても、綿あめができあがる様子は魔法みたいだ。
三浦 しをん「神去なあなあ日常 (徳間文庫)」に収録 amazon
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屋台・出店の表現・描写・類語(家・建物のカテゴリ)の一覧 ランダム5
色々の屋台店が道の真中に軒を並べている。
岡本かの子 / 巴里祭
うすよごれのした人間が蠅のようにたかっている屋台
石川 淳 / 焼跡のイエス (1949年) amazon
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不健康な住居
宮本百合子 / 伸子
ホテルと見まがうほどの豪邸
石井 好子「東京の空の下オムレツのにおいは流れる (河出文庫)」に収録 amazon
東方の三博士が夜空の星を目標に簡単にエルサレムだかベツレヘムだかにたどりついたみたいに、(高くそびえるホテルを目標にして帰り着いた)
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(上) amazon
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