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母は、不思議な人だ。 二十年以上一緒にいるのに、まだよくわからない。《…略…》母には何か隠された領域がある、そう思わせる。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 ページ位置:31% 作品を確認(amazon)
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飄々としている・とらえどころがない人
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......だった。」 という感慨を抱いた。失礼な話だが、そうだった。 そんなふうに記憶のデーターバンクにしまいこまれ、永遠に保存される。そんな気がした。 3 母は、不思議な人だ。 二十年以上一緒にいるのに、まだよくわからない。 少しだけ色黒で、目がつり上がっていて、体が小さい。松岡きっこを縮めたような……と言うと本人は怒るんだが、そういう感じだ。 母はごく普通のちょっときれいなおばさ......<中略>......だの私の留守中におこったくだらないことだのをべらべらまくしたててげらげら笑っているだけで、実に俗っぽいんだけれど、とにかく離れているとそういうふうに心に映る。 母には何か隠された領域がある、そう思わせる。 父もそう思っていただろうか。母を愛した男たちはみんなそうだっただろうか。 朝日の中、眠い頭でそういう夢想にふけったのはなぜかというと、家の前のまっすぐな歩道を......
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飄々としている・とらえどころがない人の表現・描写・類語(人の印象のカテゴリ)の一覧 ランダム5
あんたは獏(ばく)みたいに、とらえどころがない
林 芙美子 / 女性神髄 (1949年) amazon
(謎めいた人)遊び人とも言われているしものすごい堅物という噂もある、謎に包まれた、多分四十代、独身の人だった。
よしもとばなな / 銀の月の下で「まぼろしハワイ」に収録 amazon
(何を考えているのか分からない)いま彼女がどんなことに興味があり、どんなことを考えて過ごしているのか、知らない。まさにブラックボックスである。
池井戸潤「下町ロケット (小学館文庫)」に収録 amazon
何を考えているのかさっぱりわからない、マネキン人形のような人
曽野 綾子 / 遠来の客たち amazon
若くして得た巨万の富の輝きを発するだけでなく、人を不愉快、不安定にさせる特性は、他の社長にはない、まるで光を独特に偏向させるプリズム的魅力があった。
水道橋博士「藝人春秋 (文春文庫)」に収録 amazon
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道路だけがいやに広く、それが町の印象を一層寒々しいものにしていた。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
どこかの団体客が、芝居の終わった劇場から 一斉 に出て来たらしく、しばらくは一歩も前に進めないほどであった。
宮本 輝「道頓堀川(新潮文庫)」に収録 amazon
白い紙片が風に吹かれて路上を転がって行くような後ろ姿
黒岩 重吾 / 背徳のメス amazon
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