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(鋤の音)ぼくぼくと土を掘る音がしていた。
吉川英治 / 銀河まつり ページ位置:3% 作品を確認(青空文庫)
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......もうってしまったのか」 「ええ」  去年の落葉が堆肥たいひのように腐っている山の尾根だった。自分の声のひびきに、一種の不気味さを感じるほど、そこは静かである。  どこかでぼくぼくと土を掘る音がしていた。ひのきしまがすくすくと立って、春の空へ暗緑の傘をかさねている。音は、その奥の墓地の中から聞えて来るのだった。すきの音にちがいない。鋤の音がやすむと、木製の鳩笛を吹くよ......
単語の意味
土(つち)
・・・岩石と有機物が混じって細かい粉末状になったもの。有機物は、生物の死骸およびその腐敗物、微生物などから構成されている。砂(有機物が含まれない)とは違い、植物が育ちやすい。
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