たくさんの蝉が松の枝にしがみついて、声を限りに鳴いていた。夏は今が盛りだったが、蝉たちはそれが長くは続かないことを承知しているようだった。彼らは残された短い命を慈しむように、声をあたりに轟かせていた。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 作品を確認(amazon)
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蝉(せみ)
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単語の意味
慈しむ・愛しむ(いつくしむ)
蝉・蟬(せみ)
慈しむ・愛しむ・・・かわいがり大切にすること。自分より身分や立場が弱い人に対して、愛情を注ぐこと。
蝉・蟬・・・1.セミ科の昆虫を総称。夏に鳴く虫の代表。羽を畳んで木に止まり、雄は高い声で鳴きたてる。幼虫は数年かかって成虫になるが、成虫の寿命は10日から20日と短い。
2.高いところに物を引き上げるときに使う、小さな滑車。
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