部屋のすみっこで夜明けにさめざめと泣いていたママ。それを半分眠りながら見ていた私は、なんともいえないもの悲しい気持ちになったことをよく覚えている。この世が終わるような、悪い夢の中に閉じ込められているような気持ちだった。
よしもとばなな / まぼろしハワイ「まぼろしハワイ」に収録 ページ位置:3% 作品を確認(amazon)
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悲しい・悲しみ
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前後の文章を含んだ引用
......もう一度味わいたいと思う。 苦い薬をなめるみたいに何度でも何度でも、細かい思い出のすみずみまで。ママの匂いも首のしわも日焼け止めで白い顔もみんなもう一度見たい。部屋のすみっこで夜明けにさめざめと泣いていたママ。それを半分眠りながら見ていた私は、なんともいえないもの悲しい気持ちになったことをよく覚えている。この世が終わるような、悪い夢の中に閉じ込められているような気持ちだった。どうしてあのとき幼い私は起きだしていってママの背中をなでてあげられなかったのだろう。どうして逃げるように目をつぶってまた眠りに入ってしまったのだろう。朝になった......
単語の意味
さめざめ
さめざめ・・・涙を流しながら声を立てずに泣き続けるさま。
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がっかりして坐ってしまいたい程悲しかった。
林芙美子 / 新版 放浪記
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