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睦月が手を差し出す。あたしも何かを摑むように片手を差し伸べてみる。五本の指があたしの手のひらを握った。それは、とてもしっかりとした握り方だった。力まかせに握りこむのではなくそっと包みこんでくるのに、少しもゆるぎがない。思いがけないほど確かで優しい感覚だ。
あさの あつこ「ガールズ・ブルー〈2〉 (文春文庫)」に収録 ページ位置:50% 作品を確認(amazon)
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手を繋ぐ・腕を絡ませる
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前後の文章を含んだ引用
......ている。燕が中空を滑るように横切っていく。 睦月が振り返った。「リィ?」 あたしは睦月を見上げ、笑ってみる。「リィ?」と呼んだ睦月の顔の上で桜葉の影が躍った。 睦月が手を差し出す。あたしも何かを摑むように片手を差し伸べてみる。五本の指があたしの手のひらを握った。それは、とてもしっかりとした握り方だった。力まかせに握りこむのではなくそっと包みこんでくるのに、少しもゆるぎがない。思いがけないほど確かで優しい感覚だ。少し驚いた。「どうした?」「うん、やっぱ、野球選手だなって思った」「え?」「ボールが飛んできたら、こんなふうに捕るんでしょ」「リィの手を握るみたいにか?」「うん......
単語の意味
睦月(むつき)
手の平・掌(てのひら)
睦月・・・陰暦正月の異名。睦(むつ)び月。むつびの月。由来は諸説あるが、身分の上下なく、老若男女、親族一同が集まって睦び(仲良くし)あう月、が有力。親族一同集って宴をする月。
他には、稲の実をはじめて水に浸す月で、「実月(むつき)」が転じたとする説。 元になる月で、「もとつき」が「むつき」に転じたとする説がある。
他には、稲の実をはじめて水に浸す月で、「実月(むつき)」が転じたとする説。 元になる月で、「もとつき」が「むつき」に転じたとする説がある。
手の平・掌・・・手首から先の、物を握ったときに内側になる面。掌(たなごころ)。
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手を繋ぐ・腕を絡ませるの表現・描写・類語(人の印象のカテゴリ)の一覧 ランダム5
愛子は、大地の左手を、強く強く握り返した。握り返してしまった。 ただのてのひらが、お互いの体をつなぐ、たったひとつの結び目に変わる。
朝井 リョウ「武道館 (文春文庫)」に収録 amazon
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中を覗 くとがんがらがんのがあんと物静かである。
夏目漱石 / 吾輩は猫である
握手した手をもう一回ぎゅっと握った
よしもとばなな / 銀の月の下で「まぼろしハワイ」に収録 amazon
香りの強さ、花粉が服につくとなかなか落ちないところ。(が百合に似た人)
吉本 ばなな「N・P (角川文庫)」に収録 amazon
宵闇の街に立っていても彼女は派手で、浮いていた。黒いスーツを着て、雑踏に紛れていても、何か切実な、それでいてさりげないものをかもしだしていた。 表現している、と私は思った。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
若い女の柔肌のような、汚れを知らぬ生き生きとした生気
柴田 錬三郎 / 南国群狼伝 amazon
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