乱れ髪に雪を――全身に血を、浴びて、一角は、斬りまわった。もう、白い雪と、赤い血としか、何ものも見えなかった。人影と見れば、双方から、ぶつかッて、刃をあわせた。
吉川英治 / 無宿人国記 ページ位置:97% 作品を確認(青空文庫)
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合戦・乱闘
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前後の文章を含んだ引用
......念ッ」と、いいながら、雪の上に、腰をくだいた。 「弱いぞ、銀六。――いや奥田老人」 振りすてて、走り去ると、奥田老人は、 「卑怯卑怯、返せ、一角」 と、どなった。 乱れ髪に雪を――全身に血を、浴びて、一角は、斬りまわった。もう、白い雪と、赤い血としか、何ものも見えなかった。人影と見れば、双方から、ぶつかッて、刃をあわせた。 「――おッ、そこにいたか」 池のふちに、苦戦の丈八郎を見出して、 「――助太刀ッ」 と、味方へ、気勢をつけて、その群れへ、斬りこんだ。 誰か、雪を真っ赤にして俯ッ......
単語の意味
乱れ髪(みだれがみ)
乱れ髪・・・バラバラに乱れた髪。振り乱した髪。また、ひどく形のくずれた髪。乱髪(らんぱつ)。
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喧嘩というのは、こうしたものなので、にぎやかにやって、しかも手っ取り早いのがよいのである。 喧嘩の〔喧〕は〔喧ましい〕ということで〔嘩〕の字は口偏に華々しいの〔華〕をつけたものだ。 喧ましくて、華々しくやらなくては〔喧嘩〕ではない
池波 正太郎「食卓の情景 (新潮文庫)」に収録 amazon
この世の中が、ひっくりかえるようになる
林芙美子 / 新版 放浪記
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