桜の葉で覆った桜餅を口に入れると、あたり前の話だがまず葉っぱが歯にあたる。《…略…》その塩っぽい葉がピリリと破れたあと急に口の中全体が甘くなり、その甘さのところどころにまだ塩っぽい葉っぱがシャリシャリと残っている。その塩っぽさはただの塩の味ではなく、塩漬けになって発酵した塩分の味だ。桜餅は、”お新香つきの和菓子”。
東海林さだお / コロッケの丸かじり 作品を確認(amazon)
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桜餅
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和菓子は、腹一杯とか、腹持ちがいい、とかで評価されるものではく、形や彩などが身上であり、上品度という見方からすると、同じ和菓子の中でも桜餅の位置は高い。饅頭より上、ドラヤキより上、もちろん団子より上。
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桜餅はその名のとおり桜の季節に食べるものだ。そういう意味ではお花見の席にもっとも似つかわしい食べ物といえる。じゃあお花見の宴に桜餅は登場するのかというと登場しない。花より団子。団子にその席を譲る。そういう奥床しさも桜餅にはある。
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桜の葉で覆った桜餅を口に入れると、あたり前の話だがまず葉っぱが歯にあたる。《…略…》その塩っぽい葉がピリリと破れたあと急に口の中全体が甘くなり、その甘さのところどころにまだ塩っぽい葉っぱがシャリシャリと残っている。その塩っぽさはただの塩の味ではなく、塩漬けになって発酵した塩分の味だ。桜餅は、”お新香つきの和菓子”。
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