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あんまり静かなので、耳の中がしんしんと鳴る。
林芙美子 / 新版 放浪記 ページ位置:79% 作品を確認(青空文庫)
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静けさ・静寂
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......夜、破れたカーテンを繕いながら、いろいろな空想をする。火の気のない凍るような夜ふけ。あしおとがする度、きき耳をたてる。遠くで多摩川電車のごうごうと云う音がする。あんまり静かなので、耳の中がしんしんと鳴る。行末はどんなになるのか見当がつかない。どうにかなるだろうと思ってもみる。朝から飯をたべていないので、からだじゅうがすごんで来る。虎のようにのそのそと這いまわりたいよう......
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