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(小説のアイディアが出てくる)天吾は小説を書きながら、自分の中に新しい源泉のようなものが生まれていることに気がついた。それほどたくさんの水がこんこんとわき出てくるわけではない。どちらかといえば岩間のささやかな泉だ。しかしたとえ少量ではあっても、水は途切れなくしたたり出てくるようだ。急ぐことはない。焦ることもない。それが岩のくぼみに溜まるのをじつと待っていればいい。水が溜まれば、それを手で掬(すく)うことができる。あとは机に向かって、掬い取ったものを文章のかたちにしていくだけだ。そのようにして物語は自然に前に進んでいった。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 作品を確認(amazon)
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閃く・気づく・ふと思う
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(小説家)小説家は、意識的・無意識的を問わず、いつもどこかで小説のモデルとなるような人物を捜し求めている。《…略…》モデルとして 相応しいのは、その人物が、極めて例外的でありながら、人間の、或いは時代の一種の 典型 と思われる何かを備えている場合で、フィクションによって、彼または彼女は、象徴の次元にまで醇化されなければならない。
平野啓一郎「ある男」に収録 amazon
(小説を書く)久しぶりに夜中に、ボールペンを使って字を書いていると、頭がなめらかに回転した。想像力が手脚を伸ばし、物語は自由に流れていった。ひとつのアイデアが別のアイデアに自然に結びついていった。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
私の小説の多くは、五十センチ多く跳んだ者に、あとからウジウジとメソメソと文句をつけて行くような小説だ。私は爽快に逞しく五十メートルも跳ぶような小説を書きたいと思った。
高見 順 / 如何なる星の下に amazon
(短編小説)97 の短編が収録されている。根気のない人だったらしく、まるで散文みたいなごく短いストーリーが次々にくりだされる本だ。
吉本 ばなな「N・P (角川文庫)」に収録 amazon
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さまざまの言葉が胸中に去来した
太宰治 / 人間失格
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昔からとにかく勘のいいひとで、誰からの電話だとか、天気の変化とか、ちょっとしたことを良く当てた。
吉本 ばなな「N・P (角川文庫)」に収録 amazon
陣治が黒崎を殺したなどということはやはりひどく馬鹿げた推測に思えて、十和子はときには自身の妄想癖を持て余す気分になる。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
ユキはしばらく黙っていた。暗示的な沈黙だった。僕はそれ以上何も言わずにその暗示の行く先を見守っていた。年をとると暗示の暗示性というものが少しは理解できるようになる。そしてその暗示性が現実の形をとるまでじっと待つことを覚えるようになる。ペンキが乾くのを待つのと同じように。《…略…》十分ほどあとで、ユキは僕の肩に顔をつけて泣き始めた。
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(下) amazon
そのとき私の心をふとかすめたものがあった。
梶井基次郎 / 蒼穹
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