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午後の光にかがやいた湾のむこうに大きな入道雲が金色に縁どられながら 湧いていた。雲はなぜか空の宮殿のように白く巨大だった。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 ページ位置:76% 作品を確認(amazon)
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積乱雲・入道雲・雷雲
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前後の文章を含んだ引用
......と司祭のいる場所から立ち去っていった。沢野の時も、と言う最後の言葉だけが、司祭の耳にはっきりと残った。裸馬の上で司祭は体をぴくりと震わせその言葉を追い払った。 午後の光にかがやいた湾のむこうに大きな入道雲が金色に縁どられながら湧いていた。雲はなぜか空の宮殿のように白く巨大だった。今まで数限りなく入道雲を眺めながら、司祭はそれをこのような感情で眺めたことはなかった。始めて日本の信徒たちがむかし歌ったあの唄が彼にどんなに美しいものかがわかっ......
単語の意味
宮殿(きゅうでん)
宮殿・・・天皇や国王などが住む御殿(=屋敷)。神を祭(まつ)る社殿(しゃでん[=神社の建物])。
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積乱雲・入道雲・雷雲の表現・描写・類語(空・中空のカテゴリ)の一覧 ランダム5
夏の終わりの入道雲には、見つめていると涙のにじみそうな輝きがある
竹西 寛子 / ひとつとや amazon
夏のような立派な雲の峰が東でむくむく盛りあがり
宮沢賢治 / 風の又三郎
夏の終わりの入道雲には、やんちゃ坊主のあがきのようなおかしさがある
竹西寛子 / ひとつとや amazon
午後の光にかがやいた湾の向こうに、大きな入道雲が金色に縁取られながら湧いている
遠藤 周作 / 沈黙 amazon
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雲は次々に南に向けて空を吹き流されていた。どれだけたくさん流されても、あとからあとから雲は現れてきた。遥か北方の地にそれらの雲を無尽蔵に供給する源があるに違いない。頑なに心を決めた人々が、灰色の厚い制服に身を包んで、そこで朝から晩までただ黙々と雲を作り続けているのだ。蜂が蜜を作り、蜘蛛が巣を作り、戦争が寡婦を作るように。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
つぎつぎと、絶えることなく花火が上がる。不況にあえぐこの街は、年に一度の夏祭りに、かなりの予算を使う。半分自棄のように、花火を打ち上げるのだ。
あさの あつこ「ガールズ・ブルー (文春文庫)」に収録 amazon
その時、東の空に流れる星が見えた。星は一筋の短い線を引いて消えた。
百田尚樹「永遠の0」に収録 amazon
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