後悔しているのだと、城戸は思った。〝塩漬け〟にしておいた株が、損切りした途端に値上がりしたのを知った素人投資家のような顔をしていた。《…略…》自分の浅慮を恨んでいる風だった。
平野啓一郎「ある男」に収録 ページ位置:87% 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
後悔する
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......。それとも、無意識に、どこかで兄の態度を模倣しているのか。いずれにせよ、彼の性質にのみ帰すことは出来ないような、境遇の不幸が齎した、一種の精神的荒廃を感じた。 後悔しているのだと、城戸は思った。〝塩漬け〟にしておいた株が、損切りした途端に値上がりしたのを知った素人投資家のような顔をしていた。谷口家の人間には、もう決して会いたくないというのは本心だろう。けれども、もっと別の良い人生と交換していればと、自分の浅慮を恨んでいる風だった。 城戸は、ここに来るまで、美涼と大祐との再会の光景を想像し、若干の悋気を抱いていたが、それが些か感傷的すぎたことを思った。 十年という時が、二人の間に広げた人生......
ここに意味を表示
後悔するの表現・描写・類語(悔やむのカテゴリ)の一覧 ランダム5
(後悔は)どこまでも尽きない原始林のように心の中に薄暗く生い茂った。
福永 武彦 / 草の花 amazon
このカテゴリを全部見る
「後悔」の言葉を使った後悔の表現(悔やむのカテゴリ)の一覧 ランダム5
後悔の気持ちに似た苦い味がする。
吉本 ばなな「アムリタ(下) (新潮文庫)」に収録 amazon
後悔が、どこまでも尽きない原始林のように、心の奥に薄暗く生い茂る
福永 武彦 / 草の花 amazon
このカテゴリを全部見る
「悔やむ」カテゴリからランダム5
す」 私の答えないのを見て、君は自分をたしなめるように堅いさびしい調子でこう言った。
有島武郎 / 生まれいずる悩み
同じカテゴリの表現一覧
悔やむ の表現の一覧
感情表現 大カテゴリ