暑いので、胸や背中にあせもが出来る。

灼熱した鐘の内部のような大気のなか

37度だぜ、37度。夏にしても暑すぎる。これじゃオーブンだ。37度っていえば一人でじっとしてるより女の子と抱き合ってた方が涼しいくらいの温度だ。信じられるかい？

オープンカーに乗る彼を日光から遮るものはない。夏の太陽に照らされたアスファルトや渋滞中の道路に並ぶ無数の車の放つ熱が、地球のメルトダウンを感じさせた。

何日も雨の無い焼けつくような日が続く

耳と鼻が、ちぎれそうに冷たく痛かった。

「二調子か三調子、気持ちの調子を引上げないと、とてもこの強い感じは受け切れないわ」と娘は眼を眩（まぶ）しそうに云った。

実もフタもないこの暑さ

凍寒はナイフのように鋭く痛くわれらの薄着の肌をついた。

外はじんとするほど冷たく、すぐに手とほほが凍った。