妙に白っぽい病室の真っ白なベッド
あさの あつこ「ガールズ・ブルー (文春文庫)」に収録 ページ位置:41% 作品を確認(amazon)
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病室
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前後の文章を含んだ引用
......じらしくも美しい言葉を美咲にだけは、使いたくない。でも、当時、あたしは十二歳で、十二歳のあたしは、親友を見舞う優しい子の役を蹴っ飛ばすことができなかったのだ。 妙に白っぽい病室の真っ白なベッドに美咲は、横たわっていた。黄色い点滴の液が、チューブを伝い血管の中に落ちていく。十二歳の美咲は、茶パツのショートではなく、黒い長い髪をしていた。髪の黒さと唇の紅......
単語の意味
妙(みょう)
妙・・・とてもいい。非常に優れている。または、不思議、奇妙なこと(さま)。
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陰気な、暗い重症患者室
松本 清張 / 与えられた生「松本清張ジャンル別作品集(3) 美術ミステリ (双葉文庫)」に収録 amazon
(病室から見る外の景色)破れた窓の間から大学の構内をクリーム色に光った自動車がゆっくりと登ってくるのが見えた。第二外科の正門にとまったその車に、一人の見習医官を従えて、国民服を着た小柄の太った男が乗りこんだ。ドアがしまる。車はすべるように走りだす。鉛色の路を消えていく。人影のない夕暮の大学構内での 颯爽 としたそれらの動きは確かにこの暗い研究室やみすぼらしい病室や、その病室で身を横たえている患者たちとは違った世界の出来ごとのようだった。
遠藤 周作「海と毒薬 (角川文庫)」に収録 amazon
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「室内のようす」カテゴリからランダム5
店の入口から差し込む夏の 陽 が、男のうしろで光の輪を作っていた。
宮本 輝 / 泥の河「螢川・泥の河(新潮文庫)」に収録 amazon
「病院」カテゴリからランダム5
(病院は古めかしい木造の建物で)病院特有の強い消毒液の匂いはなく、そのかわり汗と果実のまじりあったような臭気に満ちていた。
宮本 輝 / 螢川「螢川・泥の河(新潮文庫)」に収録 amazon
床には埃と手術中の血をたえず洗い落す水が軽い細かな音をたてて流れている。その水が、天井につるした大きな無影燈の光に反射して、手術室全体を燃えた白金の炎のように輝かせていた。その中で浅井助手も看護婦たちもまるで水の中の海草のようにゆらゆらと動いている。
遠藤 周作「海と毒薬 (角川文庫)」に収録 amazon
診察室にも 垢 臭い変な臭いがこもっている。ここに来た患者たちが溜めていった体臭なのか、それとも薬の臭いかわからない。
遠藤 周作「海と毒薬 (角川文庫)」に収録 amazon
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