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(勾配だらけの町)山と溪 とがその大方の眺めであるこの村では、どこを眺めるにも勾配のついた地勢でないものはなかった。風景は絶えず重力の法則に脅かされていた。そのうえ光と影の移り変わりは溪間にいる人に始終慌 しい感情を与えていた。
梶井基次郎 / 蒼穹 ページ位置:7% 作品を確認(青空文庫)
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坂道・斜面・勾配
街や村の雰囲気・印象
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前後の文章を含んだ引用
......その尨大 な容積やその藤紫色をした陰翳はなにかしら茫漠 とした悲哀をその雲に感じさせた。 私の坐っているところはこの村でも一番広いとされている平地の縁 に当っていた。山と溪 とがその大方の眺めであるこの村では、どこを眺めるにも勾配のついた地勢でないものはなかった。風景は絶えず重力の法則に脅かされていた。そのうえ光と影の移り変わりは溪間にいる人に始終慌 しい感情を与えていた。そうした村のなかでは、溪間からは高く一日日の当るこの平地の眺めほど心を休めるものはなかった。私にとってはその終日日に倦 いた眺めが悲しいまでノスタルジックだった。......
単語の意味
風景(ふうけい)
風景・・・自然の景色。目の前に広がる眺め。その場の情景。
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小春日和の街を見渡すと、伸子はホテルの部屋の窮屈さを頭の中に感じた。
宮本百合子 / 伸子
線路の上まで白いしぶきのかかるあの蒼茫 たる町
林芙美子 / 新版 放浪記
その大学はとても広い自然公園のような場所にひっそりとたたずんでおり、私は、平和を誰にでもわかりやすい形で表現したようなこの場所をとっても気に入っていた。
朝井 リョウ / もういちど生まれる「もういちど生まれる (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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私がさまよい込んだ丘陵地帯は、ブラウエン、アルベラ、オルモックの各作戦地区を頂点とする三角形の中心に近く、いわば 颱風 の眼のように無事であった。
昇平, 大岡「野火(のび) (新潮文庫)」に収録 amazon
まわりの円味がかった平凡な地形に対して天柱山と吐月峰は突兀 として秀でている。
岡本かの子 / 東海道五十三次
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