まるでとっておきの折り紙を丁寧に並べたみたいに、大小のビル群がずらりと並んでいる。その一つひとつには微細で精巧な窓が編み目のように刻印されていて、ある窓は青を映し、ある窓は緑に染まり、ある窓は朝日をきらきらと反射している。遠くに小さく見える赤い尖塔や、どこかクジラを思わせるような丸みを持った銀色のビル、一枚の黒曜石から切り取ったみたいな黒く輝くビル
新海 誠「小説 君の名は。 (角川文庫)」に収録 ページ位置:17% 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
見下ろした風景
ビル・建物
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......ん高台にあるマンションの廊下。 眼下には大きな公園のような緑が、たっぷりと広がっている。空は色むらのまったくない、鮮やかなセルリアンブルー。その青と緑の境目に、まるでとっておきの折り紙を丁寧に並べたみたいに、大小のビル群がずらりと並んでいる。その一つひとつには微細で精巧な窓が編み目のように刻印されていて、ある窓は青を映し、ある窓は緑に染まり、ある窓は朝日をきらきらと反射している。遠くに小さく見える赤い尖塔や、どこかクジラを思わせるような丸みを持った銀色のビル、一枚の黒曜石から切り取ったみたいな黒く輝くビル、そういういくつかの建物はきっと有名で、私にも見覚えがある。遠くにオモチャのような自動車が、列をなして整然と流れている。 それは想像していたよりも──いや、考え......
単語の意味
朝日・旭(あさひ)
鯨(くじら)
朝日・旭・・・朝に昇る大陽。日の出。旭日(あさひ・きょくじつ)。
鯨・・・1.クジラ目の哺乳類の総称。動物中最大の海獣。潮を吹く。後肢は退化し、前肢は鰭ひれ状、尾は尾鰭おびれ状で魚の形をしているが、魚と違って水平に広がる。種類が多く、歯のあるもの(歯クジラ)と、ないもの(ひげクジラ)とに分けられる。
2.鯨尺(くじらじゃく[=ものさしの一種])の略。
2.鯨尺(くじらじゃく[=ものさしの一種])の略。
ここに意味を表示
見下ろした風景の表現・描写・類語(地上・陸地のカテゴリ)の一覧 ランダム5
崖の上へ立って下の町を眺めていた。
梶井基次郎 / ある崖上の感情
このカテゴリを全部見る
ビル・建物の表現・描写・類語(家・建物のカテゴリ)の一覧 ランダム5
このカテゴリを全部見る
「家・建物」カテゴリからランダム5
離れは質素を通り越して見すぼらしかった。素っ気ないコンパクトな平屋造りで、止むを得ず渋々そこに建っているかのような気配を漂わせていた。その気配を覆い隠すためか、離れの周囲だけ、手入れをされていない樹木が伸び放題に茂っていた。玄関は日当たりが悪く、呼び鈴は壊れて鳴らなかった。
小川洋子「博士の愛した数式 (新潮文庫)」に収録 amazon
眼下の部落を見おろしました。褐色の一握りの土塊のように 藁屋根 と藁屋根との集まった部落。泥と木とでねりあわせた小屋。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
「地上・陸地」カテゴリからランダム5
坂は、まだまだ続いていた。どこまで続くのだろうと、心配になるくらい長い坂だった。
小川洋子 / 冷めない紅茶「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
梶井基次郎 / 路上
ブーンという都会特有の鈍い唸り(地下鉄の列車、ハンバーガーを焼く音、高架道路の車の音、自動ドアが開いたり閉まったりする音、そんな無数の音の組み合わせだ)が辺りを被っていた。
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 amazon
同じカテゴリの表現一覧
家・建物 の表現の一覧
地上・陸地 の表現の一覧
風景表現 大カテゴリ