大きい月のまわりに更に大きい暈 がかかって、
宮本百合子 / 伸子 ページ位置:95% 作品を確認(青空文庫)
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月
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前後の文章を含んだ引用
......伸子は一字も書き得なかった書簡箋を、思い沈みながら丁寧に細かく引き裂いた。彼女は椅子をずらせ、紙屑籠の真上から、ぱらぱらぱらぱらとその白い紙片をすて、庭へ出た。大きい月のまわりに更に大きい暈 がかかって、芝は湿っぽい夜の匂いを漂わせていた。遠くの隅の黒く見える這松の傍から、湯を貰って帰る婆さんの姿が現れた。 「ええ月だなし」 「…………」 「――おやすみなんしょ」 「お......
単語の意味
暈(かさ)
暈・・・1.光の輪。ときどき太陽を囲うようにできるドーナツ形の光。また、その現象。ハロ。
2.疲れたときに目の周りに出てくる黒いあざのようなもの。「暈」で「くま」とも読む。
2.疲れたときに目の周りに出てくる黒いあざのようなもの。「暈」で「くま」とも読む。
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月の表現・描写・類語(空・中空のカテゴリ)の一覧 ランダム5
大きい月のまわりに更に大きい暈 がかかって、
宮本百合子 / 伸子
切り 貼ったような満月
浅田次郎 / オリヲン座からの招待状「鉄道員(ぽっぽや) (集英社文庫)」に収録 amazon
藤色の空に物憂い月が出て居る。卯の花のように白い白い月が。
石坂 洋次郎 / 若い人 amazon
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何もかも乾ききっていて、じわりじわり人の体の水分を吸いとるようだ
井伏鱒二 / 黒い雨 amazon
沿道から夜空を見上げる人達の顔は、赤や青や緑など様々な色に光ったので、彼等を照らす本体が気になり、二度目の爆音が鳴った時、思わず後ろを振り返ると、幻のように鮮やかな花火が夜空一面に咲いて、残滓を煌めかせながら時間をかけて消えた。自然に沸き起こった歓声が終るのを待たず、今度は巨大な柳のような花火が暗闇に垂れ、細かい無数の火花が捻じれながら夜を灯し海に落ちて行くと、一際大きな歓声が上がった。
又吉 直樹 / 火花 amazon
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