仕事に疲れたとき、やはり甘いものが、「ちょいと、ほしくなる……」のである。

むかしは、菓子にも季節があって、冷暖房完備の現代にくらべると、私ども、東京の下町に住む職人の家などの〔御八つ〕には、それぞれ、四季の雰囲気が感じられたようにおもう。 〔やきいも屋〕が初夏になると〔蜜豆屋〕に転じ、夏ともなれば〔かき氷〕を売るように、である。

蜂蜜をたっぷりかけると子供向けのおいしいおやつになる

三時のお茶をおいしく飲むために昼食はひかえ目にするぐらい、お茶の時間を大切にする

メニューにも、「その日の料理」にも載っていない

「男の味と女の味はちがうんだよ」と言われたことを思いだした。「デパートなどの食堂に行って、じっと見ていてごらん、男はカレーライス、女はチキンライスを食べるよ」と言われた。男性は辛味で女性は甘い味を好む、というたとえ話をされたのだった。そういうことをわきまえながら料理を作らなくてはいけない

狼のように飲み食い

大型だから、私など、一つをやっとの思いで食べている

料理は引き算である。素材から短所を除き、持ち味を引き出すのが仕事。