娘ははじめて自分の知識が真味 に私を悦 ばせるらしいのに、張合いを感じたらしく、口を継いで語った。
岡本かの子 / 河明り ページ位置:23% 作品を確認(青空文庫)
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饒舌・喋りまくる
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前後の文章を含んだ引用
......こともなかったが、こういう堀割にそう一々河名のついていることは、それ等の堀割を新しく見更 めるような気がした。 「どうぞ、もっと教えて頂戴 」と私は云った。 すると、娘ははじめて自分の知識が真味 に私を悦 ばせるらしいのに、張合いを感じたらしく、口を継いで語った。 「隅田川から芝浜へかけて昔から流れ込んでいた川は、こちらの西側ばかりを上流から申しますと、忍川、神田川、それから古川、これ三本だけでございました」 私は両国橋際......
単語の意味
真味(しんみ)
真味・・・そのものが持つ本来の味わい。
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饒舌・喋りまくるの表現・描写・類語(声・口調のカテゴリ)の一覧 ランダム5
まったく喋るのが本当に好きだな、と久遠は頬を緩める。突発的な大洪水が発生して、数時間のうちに世界が沈んでしまうという時になっても、周りが許せば、響野は喜んで演説をぶつに違いない。「そんな沈んだ顔をしていると、沈んでしまいますよ」などとはじめるのだろう。
伊坂 幸太郎「陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)」に収録 amazon
わたしは、喋り続ける彼女の唇だけを見ていた。口紅の剥げかけた唇、くすんだ肌色の唇、脂っぽい唇、唾液に濡れた唇。だから今でもその輪郭や縦皺の模様を、正確に思い出すことができる。臭うような、くすんだ不潔さの中で、蛆虫が二匹、横に並んでうごめいているようだった。
小川洋子 / 完璧な病室「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
滝のように迸 り出て来る正木博士の言葉
夢野久作 / ドグラ・マグラ
君は相変らず舌が達者だ。蝉のようによくしゃべる
林 房雄 / 青年 (1964年) amazon
良枝はかれこれ一時間以上も、休みなくしゃべり続けている。はしゃいでいるふうにも見えるが、そうではあるまい。久しぶりに二人きりになって、良枝はまじめな会話を怖れている。
浅田次郎 / オリヲン座からの招待状「鉄道員(ぽっぽや) (集英社文庫)」に収録 amazon
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「声・口調」カテゴリからランダム5
低い押しつけられたような声
梅崎 春生 / 桜島 amazon
伝令の馬のように白い息を吐きながらやって来る
安岡 章太郎 / 質屋の女房 amazon
中込が一球ストライクを投げ込むだけで、歓声が沸き起こった。まして点が入った時には、歓喜の塊が弾け、それが渦となって球場を包んだ。
小川洋子「博士の愛した数式 (新潮文庫)」に収録 amazon
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