為体の知れない不安を振り切るように鉋かけに励んだ。
阿刀田 高 / 捩れた夜「ナポレオン狂 (講談社文庫)」に収録 ページ位置:96% 作品を確認(amazon)
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気持ちを振り切る
専念する
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前後の文章を含んだ引用
......が、立場が違うのだから仕方がない。「さよなら」「ああ、さよなら」 そう気軽に答えたが、腹の底から込み上げて来るような寂しさを覚えたのはなぜなのだろうか。 敏郎は為体の知れない不安を振り切るように鉋かけに励んだ。 また背後に人の気配を感じた。「精が出るわね。お茶でもどう?」 木工所の娘がお盆を持って立っている。 大きな眼、ちょっと上を向いた鼻、どこかで見たような気もする......
単語の意味
励む・厲む(はげむ)
励む・厲む・・・1.当面の目標を実現するために、努力する。気持ちを奮い起こして物事をする。精を出す。努める。
2.力を奮い起こす。
2.力を奮い起こす。
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すべての事を忘れ果てて一心不乱に仕事の中に魂を打ち込んで行く。
有島武郎 / 生まれいずる悩み
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やっとわかった。 病気になったのは、和音じゃない。由仁だ。弾けなくなったのは由仁なのだ。目の前の景色が、反転して見えた。
宮下 奈都「羊と鋼の森 (文春文庫)」に収録 amazon
(大切な人が音信不通になり原因が自分の言動かもという不安で)体の中の何かが欠落して、そのあとを埋めるものもないまま、それは単純な空洞として放置されていた。体は不自然に軽く、音はうつろに響いた。
村上春樹 / ノルウェイの森 amazon
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酔いだってさめてしまえばもとのもくあみ、一日がずるずると手から抜けて行く
林芙美子 / 新版 放浪記
(上の空で声が聞こえていない)プールの水底で聞いている声のように、意味をなさない遠いこだまでしかなかった
村上 春樹 / 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 amazon
自分の願いが霞のように蒸発してゆくのを感じる。《…略…》純粋な願いはゆらゆらと立ち昇って手触りがなくなってしまう。
小川洋子 / ダイヴィング・プール「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
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