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「あと三十秒です」 ストップウオッチを見ている訟廷管理官が無機質な声を出した。 その声で集中が途切れた形となった勲は、無意識に傍聴席全体へ視線を回した。
雫井 脩介「火の粉 (幻冬舎文庫)」に収録 ページ位置:2% 作品を確認(amazon)
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我に返る・意識が戻る
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前後の文章を含んだ引用
......。同じ判決を下すにしても、左陪席や右陪席にいるときとは重圧感が違う。裁判長になってからは死刑裁判に関わることなくやってこられた。それは何よりだったと勲は感じる。「あと三十秒です」 ストップウオッチを見ている訟廷管理官が無機質な声を出した。 その声で集中が途切れた形となった勲は、無意識に傍聴席全体へ視線を回した。 一瞬捉えた傍聴席の奥に、知った顔があったのに気づいた。ほう、懐かしい顔だ……勲は場違いにそんなことを思った。 彼、野見山司は二年ほど前まで東京地検八王子支部の......
単語の意味
無機質(むきしつ)
視線(しせん)
無機質・・・ビタミンと同様に体の機能の維持や調節になくてならない栄養素。ミネラル。
視線・・・目と、目が見ようとしているモノとを結ぶ線。目が見ている方向。見つめている方向。
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「おい、立花、焦げてるぞ」 江原がいい、立花の思考はそこで中断すると、そのままこのやりとりから頭は離れていった。
池井戸潤「下町ロケット (小学館文庫)」に収録 amazon
まわりの話し声も普通の話し声として聞こえるようになった。(自分の)声はまだ自分の声のようには聞こえない。しかしなんとかそれに近いものにはなっている。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
頭はまったく動いていなかった。 〈佐山です〉 県警キャップの──思った瞬間、脳内のすべてのランプが点灯した。
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