カーテンをすりぬける風は、どことなく初夏の香りがした。
小川洋子 / ダイヴィング・プール「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 ページ位置:34% 作品を確認(amazon)
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晩春・初夏
カーテン
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前後の文章を含んだ引用
......いた。 窓の外はすばらしい天気だった。金色のパウダーが舞い降りるように、陽射しがあたり一面に弾けていた。教会の壁には、くっきりと浮き出た銀杏の葉陰が揺れていた。カーテンをすりぬける風は、どことなく初夏の香りがした。「今日は、お見舞いに行かないの?」 わたしは椅子を半回転させて、ベッドの上のレイ子に声を掛けた。「ええ。今日はいいんです。」 レイ子は雑誌から目を離さずに言った......
単語の意味
何処とも無く(どこともなく)
初夏(しょか・はつなつ)
何処とも無く・・・はっきりとした場所は言えないが、なんとなく。どことなく。
初夏・・・ 夏の初め。陰暦4月の異名。孟夏(もうか)。首夏(しゅか)。
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青葉の色も目にしみる初夏のころ
石井 好子「巴里の空の下オムレツのにおいは流れる (河出文庫)」に収録 amazon
境内の樟(くすのき)が、若葉の季節には、緑という黄金色に輝いて、初夏の空の蒼(あお)によく映える
永井 路子 / うたかたの amazon
松も新しい緑にかわって、草も木も青い焔 のようになった。
有島武郎 / 或る女
初夏の陽射しが眩しい六月最初の月曜日
池井戸潤「下町ロケット (小学館文庫)」に収録 amazon
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カーテンの表現・描写・類語(室内のようすのカテゴリ)の一覧 ランダム5
日焼けしてないカーテン
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
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春が間近で、高い山脈は寒い色をしていたが、近くの低地の林に薄い緑が乗った。風はまだ冷たかった。
松本 清張 / 青のある断層「松本清張ジャンル別作品集(3) 美術ミステリ (双葉文庫)」に収録 amazon
「夏」カテゴリからランダム5
晩春から初夏へ移り変わる山里の、新緑の美しさ
池波 正太郎 / 剣客商売 amazon
暮れ鈍る夏の宵の光りが、景物をほの黒く浮かせる
川端康成 / 掌の小説 amazon
「室内のようす」カテゴリからランダム5
ドアのさびつきそうな鍵に手をかけ、おりの中のゴリラみたいに思いっきりがたがた揺すった。
吉本 ばなな「N・P (角川文庫)」に収録 amazon
すっかり色がわからなくなってしまったレースのカーテン
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 amazon
書斎は南向きの六畳で、日当りのいい所に大きな机が据 えてある。
夏目漱石 / 吾輩は猫である
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