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井上留吉と私は、三人を突飛ばすように廊下へ飛出した。 二人とも和服であったが、こういうとき、あずけてある履物のことや、勘定のことなどに気をつかっては、すべてに遅れをとってしまう。 井上は、ものもいわず、まっしぐらに足袋はだしで廊下から玄関、門の外へ駆け去る。私を見捨てたようにおもえる
池波 正太郎「食卓の情景 (新潮文庫)」に収録 ページ位置:77% 作品を確認(amazon)
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逃げる・逃走する・避難する
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前後の文章を含んだ引用
......箱火鉢の鍋へかかり、これを「モモンガア」の胸もとへ、ぱっと放り投げていた。「うわぁ……」「モモンガア」と、付人の二人がびっくりあわてた。当然だろう。 その隙に、井上留吉と私は、三人を突飛ばすように廊下へ飛出した。 二人とも和服であったが、こういうとき、あずけてある履物のことや、勘定のことなどに気をつかっては、すべてに遅れをとってしまう。 井上は、ものもいわず、まっしぐらに足袋はだしで廊下から玄関、門の外へ駆け去る。私を見捨てたようにおもえるが、そうではない。こういうところが井上とは口に出さなくとも通じ合っていた。 私は、井上が飛去るのを見送ってから、廊下で振向き、「間ぬけめ。一昨日来い!!」 と、......
単語の意味
勘定(かんじょう)
勘定・・・勘(かんが[=考])え定めること。「勘」は訓読みで「かんが(える)」と読める。
1.数えること。いくらになるか計算すること。
2.代金を払うこと。また、その代金。
3.前もってしておくべき予測。見積もり。考慮。
1.数えること。いくらになるか計算すること。
2.代金を払うこと。また、その代金。
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(蚊帳の中で)娘は、籠の鶯 が、小さい心臓へ水を浴びたように、ぱっと、向うの裾へ、逃げ屈んだ。
吉川英治 / 雲霧閻魔帳
はやてに吹かれた木の葉のように、からだを斜めにして逃げ出す
宮沢 賢治 / 鹿踊りのはじまり amazon
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学生たちが彼女に本を貸し与え、彼女はそれをとうもろこしでも囓るみたいに片っ端から読んでいった。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
匙(さじ)からこぼれる粉砂糖のようにさらさらと形を変える
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かるたを裏返したように変わって
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