病院からこのひえきった部屋に戻るとノブは胸のしめつけられるような 寂寥 感 と孤独な気持に捉えられる。
遠藤 周作「海と毒薬 (角川文庫)」に収録 ページ位置:93% 作品を確認(amazon)
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孤独・一人ぼっち
一人暮らし
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前後の文章を含んだ引用
......たかい音が聞えた。闇の中で部屋に引きっぱなした布団や食卓が白く浮んでいる。隣家のラジオが金属を引っかくような警戒警報のブザーをたてていた。何時もと同じことだが、病院からこのひえきった部屋に戻るとノブは胸のしめつけられるような寂寥感と孤独な気持に捉えられる。 本当に今日もこれで終った。彼女が今、考えているのは、それだけだった。随分、長い間病院に行かなかったので特別に身も心もくたびれたような気がする。明日からまた、大......
単語の意味
寂寥(せきりょう)
胸(むね)
寂寥・・・人気がなくて、寂しい感じ。心が満たされず寂しい感じ。寂寞。
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医師が来るまで小一時間病人と二人ぎりで、伸子は名状し難い孤立感を覚えた。この大都会の生活と自分達の生存とはいざとなると何と無関係なことか。周囲の冷然とした感じが伸子の心にこたえた。
宮本百合子 / 伸子
空虚な空気のなかにぽつねんと一人取り残された。
梶井基次郎 / 檸檬
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一人で暮らすというのは、何かをなくす時の気持ちに似ているかもしれないわね
小川 洋子 / ドミトリイ「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録 amazon
押入れをあけると、プンと淋しい女の一人ぐらしの匂いをかいだ。
林芙美子 / 新版 放浪記
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どこへ行っても砂原のように寥々とした思いをするので、私は胸がつまった。
林芙美子 / 新版 放浪記
糸のように細く引いた、しかも無理に長さをたぐりのばせるようなかすかな淋しさが、胸の辺りから流れ上る
野間 宏 / 崩解感覚「暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
胸いっぱいこの孤独な空気で満たされてしまう。
吉本 ばなな「N・P (角川文庫)」に収録 amazon
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淋しい空 になった心持ち
夢野久作 / あやかしの鼓
淋しいいかにも元気のない顔つき
直哉, 志賀「暗夜行路 (新潮文庫)」に収録 amazon
(寂しさが)汐(しお)のようにひたひたと寄せてくる。
林 芙美子 / 茶色の目「林芙美子全集〈第15巻〉茶色の目 (1952年)」に収録 amazon
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