眼が痛いから電気を消しますよ。

体を投げ出すように横たえる

双子は缶詰のオイル・サーディンのような形に並んでベッドにもぐりこんだまま

（布団がない）三枚の座蒲団をつないで大きい蒲団を一枚ずつ分けて何とか工夫をして寝て貰う

私はまっさらのシーツと毛布の間にすべりこんだ。

一列に太陽に向いて、それを拝むようにしてまっすぐに立った

波間をつきすすむドルフィンのように体を反らせる

マングースみたいな格好でステレオ・セットの前に座りこんで、ひとつひとつのスイッチをためした。

体を横たえて、眠りが訪れてくるのをじっと待っていた。

疲れて子供のように自動車に寝ている

（頭を撫で続けられて眠れない）なで続ける手　眠たくてもったりとした意識がちょうど彼女の指先に引っかかったまま、落ちるべきところに落ちてくれない　身体の方が先に落ちそうで、意識が肉体を支配しきれなくなってきて、金しばり状態になるのが嫌だから寝返りをうつ　手は追いかけてくる　かんべんしてほしい、肘をまっすぐ伸ばしたい　ベッドを完全に　手に入れたい　一人で　ねむりたい

どれくらいの時間が過ぎたのだろう。目を開けたまま眠りに落ちていたような錯覚が、わたしを揺り起こした。

夢を見ていたのか？ 　そう。一時は私も夢とばかり思っていた。だが、あの女の記憶は妙になまなましい。

足もとから崩れ落ちるように眠りに落ちる

夢もない深い眠りに陥って