(おしょうろ流し)月の仄 かな海の上には、もう二ツ三ツおしょうろ船が流れていた。火を燃やしながら美しい紙船が、雁木 を離れて沖の方へ出ていた。港には古風な伝馬 船が密集している。そのあいだを火の紙船が月のように流れて行った。
林芙美子 / 新版 放浪記 ページ位置:45% 作品を確認(青空文庫)
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お盆
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......ているのかしら……。船着場には古綿のような牛の群が唸っていた。 鰯雲がかたくりのように筋を引いてゆくと、牛の群も何時 か去ってゆき、起重機も腕を降ろしてしまった。月の仄 かな海の上には、もう二ツ三ツおしょうろ船が流れていた。火を燃やしながら美しい紙船が、雁木 を離れて沖の方へ出ていた。港には古風な伝馬 船が密集している。そのあいだを火の紙船が月のように流れて行った。 「牛を食ったりおしょうろを流したり、人間も矛盾が多いんですねお母さん。」 「そら人間だもん……」 母は呆 んやりした顔でそんな事を云っている。 * (八......
単語の意味
沖(おき)
沖・・・海や湖の岸から離れた所。
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(おしょうろ流し)月の仄 かな海の上には、もう二ツ三ツおしょうろ船が流れていた。火を燃やしながら美しい紙船が、雁木 を離れて沖の方へ出ていた。港には古風な伝馬 船が密集している。そのあいだを火の紙船が月のように流れて行った。
林芙美子 / 新版 放浪記
(精霊流し)海の涯にあるという 補陀落 浄土 をめざして、河口から押し出された無数のぼんぼりの波につらなるさまは、まるで夢のように美しい
浅田次郎 / うらぼんえ「鉄道員(ぽっぽや) (集英社文庫)」に収録 amazon
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(お盆のUターン・ラッシュ)高速道路をはるか 彼方 まで、夏の日差しに輝く 夥しい車両が埋め尽くしていた。
翔田 寛「真犯人 (小学館文庫)」に収録 amazon
地球の一部がどかんと凹んだような戦車壕
木山 捷平 / 大陸の細道 amazon
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