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思慮深い貴女きじょのような物腰
有島武郎 / 或る女(前編) ページ位置:9% 作品を確認(青空文庫)
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振る舞い・身のこなし・動き
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前後の文章を含んだ引用
......ある薄ぎたない部屋の中を女中をひっくるめてにらみ回しながら古藤は、 「外部そとよりひどい……どこか他所よそにしましょうか」  と葉子を見返った。葉子はそれには耳もかさずに、思慮深い貴女きじょのような物腰で女中のほうに向いていった。 「隣室となりも明いていますか……そう。夜まではどこも明いている……そう。お前さんがここの世話をしておいで?……ならほか部屋へやもついでに見せて......
単語の意味
思慮深い(しりょぶかい)
思慮(しりょ)
物腰(ものごし)
思慮深い・・・先のことを十分考えて判断できるさま。考えや気遣いが深い。
思慮・・・先のことを十分に考えるて判断すること。また、その判断力。いろいろと慎重に考えること。また、その考える力。「思慮の浅い人」
物腰・・・人に接するときの、身のこなしや言葉遣いなどの態度。立ち居振舞い(たちいふるまい)。

「物腰」は、かつて「言葉」だけを指した。「物」は「ことば」のこと。「あきれて物(=言葉)も言えない」など。「~腰」は、「何かをする際の姿勢や構え」をあらわす。「及び腰」「けんか腰」など。
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