体は細いけれど、胸やお尻は弾けるように肉が張っている。

着崩れた着物の下から、何か仇（あだ）めいた匂いがして窶（やつ）れた河合武雄と云ってもみたい女

全身ことごとく男性を陶酔させるほど匂やかなものがある女性

漆黒の闇の中で恋人の手が見えない相手の輪郭を確かめるような艶かしい動作

（女性らしい）子供が蓄音機の中に小人の楽隊を想像するのと同じ考え方で、僕は彼の中に女を見た。

彼がいつも知りたいと感じるのは、この女の不思議な雰囲気が、どんなふうに生まれるのかということだった。 寝椅子カウチ でうたた寝をしている時など、彼は彼女の閉じられた目や長く伸ばされた爪や太股の上までまくれ上がったスカートの 皺 さえも凝視した。けれど、何の答も出て来はしない。彼女は、ただそこに存在していて、その存在しているということだけで、すべてを説得していた。

私がワイキキのビーチで座っていると、向こうからサンディーが歩いてきた。深刻な顔で、すたすたと、それでもドレスのすそはゆったりと風にゆらして。まるで海も世界も美しい彼女の舞台であるかのようだった。

皮肉で薄情で、蚯蚓（みみず）みたいに冷たい若い男

パッと花が咲いた感じの美しさ

芝居に出て来る女のように恰好がよかった。