葉子は何事も屈託なくただおもしろかった。からだじゅうをくすぐるような生の歓 びから、ややもするとなんでもなく微笑が自然に浮かび出ようとした。「けさから私はこんなに生まれ代わりました御覧なさい」といってだれにでも自分の喜びを披露 したいような気分になっていた。
有島武郎 / 或る女(前編) ページ位置:70% 作品を確認(青空文庫)
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心や体が軽い・身軽になる
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前後の文章を含んだ引用
......顔色にも、少しも頓着 しないふうで、ほほえみ続けながらモーター・ボートのほうを見守っているのを見ると、未通女 らしくさらにまっ赤 になってその場をはずしてしまった。 葉子は何事も屈託なくただおもしろかった。からだじゅうをくすぐるような生の歓 びから、ややもするとなんでもなく微笑が自然に浮かび出ようとした。「けさから私はこんなに生まれ代わりました御覧なさい」といってだれにでも自分の喜びを披露 したいような気分になっていた。検疫官の官舎の白い壁も、そのほうに向かって走って行くモーター・ボートも見る見る遠ざかって小さな箱庭のようになった時、葉子は船長室でのきょうの思い出し笑いをしなが......
単語の意味
屈託(くったく)
屈託・・・心配事があって、あれこれと思い悩むこと。クヨクヨすること。
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すばらしい富籤(とみくじ)を引き当てたかのように、溢れる喜びを押しかくすことが出来なくて
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主人はそうだとも、そうで無いとも云わない。
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