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交通量はごくひっそりとしたものだった。道路に沿って並んだ広告板はがらんとした空白に向けてあてのないメッセージを送りつづけていた。《…略…》広告産業という名の新しい開拓者たちは実に手際良くその大地を切り開いているようだった。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 ページ位置:68% 作品を確認(amazon)
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閑散・人気(ひとけ)がない
看板・標識
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前後の文章を含んだ引用
......光るカフェ・オ・レの放水路のように見えた。川に沿って舗装道路が見えかくれしていた。時折木材を積んだ巨大なトラックが西に向けて走っていくのが見えたが、全体とすれば交通量はごくひっそりとしたものだった。道路に沿って並んだ広告板はがらんとした空白に向けてあてのないメッセージを送りつづけていた。僕は退屈しのぎに次から次へと表われるスマートで都会的な匂いのする広告板を眺めていた。そこでは日焼けしたビキニの女の子がコカ・コーラを飲んでいたり、中年の性格俳優が額にしわをよせてスコッチのグラスを傾けていたり、ダイバーズ・ウォッチが派手に水をかぶっていたり、おそろしいほど金をかけたスマートな部屋の中でモデルが爪にマニキュアを塗っていたりしていた。広告産業という名の新しい開拓者たちは実に手際良くその大地を切り開いているようだった。 列車が終点である十二滝町の駅に着いたのは二時四十分だった。我々は二人ともいつのまにかぐっすり寝込んでいて、駅名のアナウンスを聞きのがしてしまったようだった。デ......
単語の意味
沿う・添う・副う(そう)
沿う・添う・副う・・・1.(「沿う」と書いて)長い線状のものの近くを離れずに平行に進む。つたっていく。
2.(「沿う」「添う」「副う」と書いて)期待されるところから外れない状態を保つ。ある基準から離れないようにする。
2.(「沿う」「添う」「副う」と書いて)期待されるところから外れない状態を保つ。ある基準から離れないようにする。
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森閑と眠りこけている遊廓
林芙美子 / 新版 放浪記
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産園××とペンキの板がかかっていた。
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