厚い唇をにやりと笑わせると、黄色い乱杭歯があらわれた。
松本 清張 / 真贋の森「松本清張ジャンル別作品集(3) 美術ミステリ (双葉文庫)」に収録 ページ位置:4% 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
微笑み・薄笑い
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......鑑てくれと頼みに来たのであろうと見当をつけた。「はあ、どうやら、お蔭さまで、ぼつぼつです」 門倉は禿げた額を指で搔いた。指は節くれ立っている。顔の造作も大きい。厚い唇をにやりと笑わせると、黄色い乱杭歯があらわれた。「今度は、どっちの方を廻ったの?」「九州です」 門倉は云って、思いついたように、四角い方の風呂敷を解いて土産物をさし出した。雲丹の函詰めであった。「九州か。相変......
単語の意味
乱杭歯(らんぐいば)
乱杭歯・・・不ぞろいに打ち込んだ杭(くい)のように、ひどく歯並びの悪い歯。歯が横に並ばず、重なって生えている状態。
ここに意味を表示
微笑み・薄笑いの表現・描写・類語(口・顎のカテゴリ)の一覧 ランダム5
形良く並んだ歯をすらりと見せた、ポスターのような薄っぺらい笑み。
綿矢 りさ / 亜美ちゃんは美人「かわいそうだね? (文春文庫)」に収録 amazon
ミュウはにっこりと微笑んだ。彼女が微笑むとそのあいだだけ、目尻に魅惑的な小さなしわが生まれた。
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 amazon
唇で薄く笑った。
吉川英治 / 雲霧閻魔帳
口もとに微笑が、日にかがやいている出水(いずみ)のように湧き上がる
佐藤 春夫 / 佐藤春夫 amazon
このカテゴリを全部見る
「口・顎」カテゴリからランダム5
相談窓口の婦人警官が、まるで銀行の受付嬢のように 微笑みかけてきた。
浅田次郎 / ラブ・レター「鉄道員(ぽっぽや) (集英社文庫)」に収録 amazon
力無い歪んだ微笑
宮本百合子 / 伸子
異様な微笑を左の眼の下に痙攣 らせ
夢野久作 / ドグラ・マグラ
わたしの心をひんやり握り締めるような、あの印象的な微笑み
小川 洋子 / ドミトリイ「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録 amazon
「笑う・笑み」カテゴリからランダム5
笑顔がきれいです。希望の匂いがします。
吉本 ばなな「アムリタ(下) (新潮文庫)」に収録 amazon
噴水のような哄笑の衝動
開高 健 / 裸の王様 amazon
酸いような笑いで口元を歪めた。
宮本百合子 / 伸子
それを思うと、武内は 馬鹿らしくなって、ひとり天井を見つめたまま薄笑いを浮かべた。
宮本 輝「道頓堀川(新潮文庫)」に収録 amazon
同じカテゴリの表現一覧
口・顎 の表現の一覧
笑う・笑み の表現の一覧
人物表現 大カテゴリ