TOP > 人物表現 > 言葉を交わす > 口下手・話下手・うまく言葉にできない
僕は言葉に詰まる。迷ったのではなく、頭の片隅をよぎることすらなかった問いだった。最後までジグソーパズルを仕上げたはずなのに、ふと見たら床に小さなピースが一片落ちていた、そんな感じだ。
重松 清「流星ワゴン (講談社文庫)」に収録 ページ位置:92% 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
口下手・話下手・うまく言葉にできない
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......ねえ」──健太くんが割って入った。「もしサイテーの現実だったら、おじさん、死んじゃったほうがまし?」 橋本さんと同じように後ろを振り向かず、軽い声で、訊いた。 僕は言葉に詰まる。迷ったのではなく、頭の片隅をよぎることすらなかった問いだった。最後までジグソーパズルを仕上げたはずなのに、ふと見たら床に小さなピースが一片落ちていた、そんな感じだ。「選ぶような話じゃないだろ」と返すのがやっとだった。ジグソーパズルのボードに、ピースの抜けた箇所は見つからない。「もしもの話なんだから、いいじゃん、教えてよ」 ......
ここに意味を表示
口下手・話下手・うまく言葉にできないの表現・描写・類語(言葉を交わすのカテゴリ)の一覧 ランダム5
そのひとは、言葉につまると「つまり……」とか「ええと」とか言いながら、必ずいったん目を閉じるのだが、そうすると白いまぶたをふちどるまつげが突然くっきり見えて、かすかにひそめた 眉 に、おおらかなのと神経質なのが入り混じった彼女の人格のすべてがわかったという独特な感じがする。
吉本 ばなな / らせん「とかげ (新潮文庫)」に収録 amazon
(うまく説明できない)でもそこで言葉が突然ふっと消えてしまった。遠くの方で誰かが電話のコードを引き抜いたような感じだった。
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(上) amazon
このカテゴリを全部見る
「言葉を交わす」カテゴリからランダム5
これは、あれだ、と轟は言って、つかえた。言葉を探している。四十を過ぎているようには見えるが、頭の中で言葉を必死に搔き集めている様子は、どうにも貫禄がない。
伊坂 幸太郎 / オーデュボンの祈り amazon
同じカテゴリの表現一覧
言葉を交わす の表現の一覧
人物表現 大カテゴリ