やけに陽気なそのメロディは、風人の声に含まれているさみしさを一層際立たせた。
朝井 リョウ / もういちど生まれる「もういちど生まれる (幻冬舎文庫)」に収録 ページ位置:50% 作品を確認(amazon)
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音楽
寂しい
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前後の文章を含んだ引用
......界の話で、だから私は元気がなくなる。「ひーちゃん、好きな人とキスしたんだ」 男にしては小さなてのひらの上に載っているイヤフォンから音符がぽろぽろとこぼれている。やけに陽気なそのメロディは、風人の声に含まれているさみしさを一層際立たせた。「見ちゃったの?」 ううん、と風人は首を横に振る。「おれそのときトイレに入ってたんだけど、出たとき、なんかわかっちゃったんだよね」 ガタン、と右に揺られ、ゴトン......
単語の意味
陽気(ようき)
陽気・・・1.天候。時候。
2.万物が動き、生まれ出ようとする気。陽の気。
2.万物が動き、生まれ出ようとする気。陽の気。
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(音楽鑑賞)ただその音楽とだけ一つになって、すべてから解放されたかった。時間と旋律とが、一切の過不足なく結び合って流れてゆく美に 融け入りたかった。
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 amazon
胸に抱きしめた音楽は耳に聞こえるだけでなく、直接肺や心臓にもひびいてくる。まるで可憐な生物の鼓動のように。
清岡 卓行 / 初冬の大連「アカシヤの大連 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
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村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
しまりのないべたべたしたマーラー
村上春樹 / 遠い太鼓 amazon
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一人でいると張合いがない
林芙美子 / 新版 放浪記
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村上 春樹 / 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 amazon
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