(野鼠を)団扇 で二つ三つ床を叩 いて追う。その音に寝呆 けて呼びもしない父が、「え?」と返事をして寝返りをうつ、うつろな声。
岡本かの子 / 渾沌未分 ページ位置:84% 作品を確認(青空文庫)
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寝言
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前後の文章を含んだ引用
......を自分は父に望むのか。それを望むよりほか二人の生きて行く道はないのか……。 船虫が蚊帳の外の床 でざわざわ騒 ぐ。野鼠 でも柱を伝って匍い上って来たのだろうか。小初は団扇 で二つ三つ床を叩 いて追う。その音に寝呆 けて呼びもしない父が、「え?」と返事をして寝返りをうつ、うつろな声。――あわれな父とそしてあわれな娘。 小初は父の脱いだ薄い蒲団をそっと胸元へ掛け直してやった。 小初は闇 のなかでぱっちり眼を開けているうちに、いつか自分の体を両手......
単語の意味
惚ける・耄ける・呆ける(ほうける)
虚ろ・空ろ・洞ろ(うつろ)
惚ける・耄ける・呆ける・・・思考が鈍くなる。頭がボーっとする。
虚ろ・空ろ・洞ろ・・・1.空洞(くうどう)。空っぽ。中身が何もないこと。
2.心が空っぽになり、生気がないさま。表情がボーっとして気持ちがないさま。
2.心が空っぽになり、生気がないさま。表情がボーっとして気持ちがないさま。
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寝言の表現・描写・類語(睡眠・眠る・寝るのカテゴリ)の一覧 ランダム5
彼は眠りながら、舌で乳を吸うような音を立てる癖があった。
宮本百合子 / 伸子
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(空腹かつ眠気)手首の内側で 瞼 をこすった。何本かのビールが僕に眠気をもたらそうとしていた。それは淡い泥のように僕の意識にもぐりこみ、空腹とせめぎあっていた。
村上春樹 / パン屋再襲撃「パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録 amazon
ベッドの軋み方を確かめるように、祐一は何度も寝返りを打った。
吉田修一「悪人」に収録 amazon
私はもう半分眠りの中にいた。光の中で眠るのはなんとなく懐かしい感じがする。
よしもとばなな / まぼろしハワイ「まぼろしハワイ」に収録 amazon
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