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当時はこれが、無上の佳味として、上は万乗 の君の食膳にさへ、上せられた。従つて、吾五位の如き人間の口へは、年に一度、臨時の客の折にしか、はいらない。その時でさへ、飲めるのは僅に喉 を沾 すに足る程の少量である。
芥川龍之介 / 芋粥 ページ位置:24% 作品を確認(青空文庫)
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ご馳走(ごちそう)
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前後の文章を含んだ引用
......ないかと云ふと、さうでもない。五位は五六年前から芋粥 と云ふ物に、異常な執着を持つてゐる。芋粥とは山の芋を中に切込んで、それを甘葛 の汁で煮た、粥の事を云ふのである。当時はこれが、無上の佳味として、上は万乗 の君の食膳にさへ、上せられた。従つて、吾五位の如き人間の口へは、年に一度、臨時の客の折にしか、はいらない。その時でさへ、飲めるのは僅に喉 を沾 すに足る程の少量である。そこで芋粥を飽きる程飲んで見たいと云ふ事が、久しい前から、彼の唯一の欲望になつてゐた。勿論、彼は、それを誰にも話した事がない。いや彼自身さへそれが、彼の一生を貫......
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