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うす明るい空にそむいて、羅生門らしょうもんの高いいらかが、寂然せきぜんと大路を見おろしているばかり
芥川龍之介 / 偸盗 ページ位置:56% 作品を確認(青空文庫)
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屋根・かわら・屋上
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前後の文章を含んだ引用
......、みぞをあふれた泥水どろみずが、くぼ地くぼ地へ引かれるようにやみにまぎれて、どこへ行ったか、たちまちのうちに、見えなくなった。……  あとには、ただ、いつか月しろのした、うす明るい空にそむいて、羅生門らしょうもんの高いいらかが、寂然せきぜんと大路を見おろしているばかり、またしてもほととぎすの、声がおちこちに断続して、今まで七丈五級の大石段に、たたずんでいた阿濃あこぎの姿も、どこへ行ったか、見えなくなった。――が、まもなく、門上の楼......
単語の意味
寂然(せきぜん・じゃくねん)
甍(いらか)
寂然・・・ひっそり静かな様子。なんとなく寂しい感じ。「然」は他の語の後ろに付いて、状態をあらわす字。
・・・1.瓦で覆われた屋根。また、その瓦。
2.屋根の頂上の部分。
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