(舗道に捨てられたちらし)汚い鋪道 の上に、散しの黄や赤が、露にベトベト濡れて陽に光っていた。
林芙美子 / 新版 放浪記 ページ位置:50% 作品を確認(青空文庫)
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舗道・アスファルト
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...... * (五月×日) 六時に起きた。 昨夜の無銭飲食の奴のことで、七時には警察へ行かなくてはならない。眠くって頭の芯 がズキズキするのをこらえて、朝の街に出てゆくと、汚い鋪道 の上に、散しの黄や赤が、露にベトベト濡れて陽に光っていた。四谷 までバスに乗る。窓硝子 の紫の鹿 の子 を掛けた私の結い綿の頭がぐらぐらしていて、まるでお女郎みたいな姿だった。私はフッと噴き出してしまう。こんな女なんて……どう......
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舗道・アスファルトの表現・描写・類語(道・道路のカテゴリ)の一覧 ランダム5
多摩川の堤防に沿って粗いアスファルトの道が続き
阿刀田高 / ミッドナイト物語 amazon
午後の陽ざかりで、舗道のアスファルトが溶けて、踏むとぷよぷよした
石坂洋次郎 / 青い山脈 amazon
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僕は庭のブロック屛をのりこえて「路地」に下りた。 「路地」とは言っても、それは本来的な意味での路地ではない。正直なところ、それは 何とも 呼びようのない代物なのだ。正確に言えば道ですらない。道というのは入口と出口があって、そこを辿っていけば然るべき場所に行きつける通路のことだ。 しかし「路地」には入口も出口もなく、それを辿ったところでブロック屛か鉄条網にぶつかるだけのことだ。それは袋小路でさえない。少くとも袋小路には入口というものがあるからだ。近所の人々はその小径をただ便宜的に「路地」と呼んでいるだけの話なのだ。
村上春樹 / ねじまき鳥と火曜日の女たち「パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録 amazon
(雪の斜面は)滑石を塗ったように気味悪く光っていた。
梶井基次郎 / 雪後
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