界隈がしずかなので、彼女がたたむ厚い包紙の、ゴワゴワいう音ばかり耳立った。
宮本百合子 / 伸子 ページ位置:65% 作品を確認(青空文庫)
この表現が分類されたカテゴリ
静けさ・静寂
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......ったあと、宵は長く感じられた。佃は、そういう夜、部屋の真中にあぐらをかいて、外国から来た書籍包みを開いていた。伸子はそばで、解きすてられた紐や紙を始末していた。界隈がしずかなので、彼女がたたむ厚い包紙の、ゴワゴワいう音ばかり耳立った。 「――あちらの机に送り状があるから、とって来てください」 伸子はそれをとって来た。彼は一旦テーブルにつみ上げた本を、一冊ずつその送り状とてらし合せ始めた。伸子は......
ここに意味を表示
静けさ・静寂の表現・描写・類語(音の響きのカテゴリ)の一覧 ランダム5
あたりは息苦しいまでの沈黙に包まれていた。人の声もなく、吠える犬もいない。寄せる波も、吹く風もない。どうしてこれほどまですべてが深く静まり返っているのだろうとミュウは不思議に思った。
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 amazon
大気は死んだように静寂だ
尾崎 士郎 / 人生劇場 青春篇 amazon
耳の底がかーんとするほど空恐ろしい寂莫
有島武郎 / 或る女
このカテゴリを全部見る
「音の響き」カテゴリからランダム5
同じカテゴリの表現一覧
音の響き の表現の一覧
感覚表現 大カテゴリ