赤とんぼも飛びかわす時節で、その群れが、燧石 から打ち出される火花のように、赤い印象を目の底に残して乱れあった。
有島武郎 / 或る女(前編) ページ位置:8% 作品を確認(青空文庫)
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トンボ
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前後の文章を含んだ引用
......や色づいた田圃 の先に松並み木が見えて、その間 から低く海の光る、平凡な五十三次風 な景色が、電柱で句読 を打ちながら、空洞 のような葉子の目の前で閉じたり開いたりした。赤とんぼも飛びかわす時節で、その群れが、燧石 から打ち出される火花のように、赤い印象を目の底に残して乱れあった。いつ見ても新開地じみて見える神奈川 を過ぎて、汽車が横浜の停車場に近づいたころには、八時を過ぎた太陽の光が、紅葉坂 の桜並み木を黄色く見せるほどに暑く照らしていた。......
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トンボの表現・描写・類語(秋のカテゴリ)の一覧 ランダム5
淡いオレンジの夏アカネだ。七月も終わりになる頃、このトンボは、あたしたちの街のあちこちに、群れて飛ぶ。夏の盛りと秋の始まりが、もうそこまで来ていた。
あさの あつこ「ガールズ・ブルー (文春文庫)」に収録 amazon
朱ザヤのような照りのある、小がらの赤トンボ
山本 有三 / 波 amazon
(やんま)翡翠 の大きな眼、黒と黄の段だら染め、細くひきしまった腰から尾への強い線、──みんな美しい。
直哉, 志賀「暗夜行路 (新潮文庫)」に収録 amazon
漆のような真黒な羽のひらひらする、繊(ほそ)く青い、たしか河原蜻蛉(かわらとんぼ)とも言った
泉 鏡花 / 縷紅新草 amazon
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「秋」カテゴリからランダム5
焼栗の声がなつかしい頃になった。
林芙美子 / 新版 放浪記
鏡の破片でも振りまくような強い初秋の陽光
城山三郎 / 辛酸 amazon
ベランダに出て夜の空気を吸い、その空気の中に、かすかに 金木犀 の甘い香りが混ざっているのを感じて
小池真理子「愛するということ (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
朱ザヤのような照りのある、小がらの赤トンボ
山本 有三 / 波 amazon
「昆虫・虫」カテゴリからランダム5
しいんしいんと蝉が鳴きたてている。
林芙美子 / 新版 放浪記
一匹の蠅が自分の顔の周りを鈍い羽音で廻っている。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
花にたわむれている蝶は粉雪のように軽い
白洲 正子 / 能の物語 amazon
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