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すべてが見覚えのある風景だった。もう会うこともないと思っていたいとこと、この懐かしい風景の中を一緒に歩いていることが不思議だった。いとこがほんの小さな男の子だった頃の記憶と、学生寮の記憶が、水彩絵の具のように滑らかに混じり合っていた。
小川 洋子 / ドミトリイ「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録 ページ位置:29% 作品を確認(amazon)
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忘れる・思い出せない・曖昧な記憶
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前後の文章を含んだ引用
......。ウインドウに流行遅れのかつらを並べた美容院や、『バイオリン教えます』と手書きの看板をぶらさげた大きな家や、土のにおいに包まれた都立の貸し農園などを通りすぎた。すべてが見覚えのある風景だった。もう会うこともないと思っていたいとこと、この懐かしい風景の中を一緒に歩いていることが不思議だった。いとこがほんの小さな男の子だった頃の記憶と、学生寮の記憶が、水彩絵の具のように滑らかに混じり合っていた。「一人で暮らすのって、どんな感じなんだろう」 いとこがふと、独り言のように言った。「心配?」 わたしが尋ねると彼は首を横に振った。「心配なことは何もありません。......
単語の意味
風景(ふうけい)
風景・・・自然の景色。目の前に広がる眺め。その場の情景。
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僕にはその女を思いだすことができなかった。まるでキリコの絵の中の情景のように、女の影だけが路上を横切って長くのびていた。
村上春樹 / ねじまき鳥と火曜日の女たち「パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録 amazon
幼時の記憶というものは、酔っぱらいのようにひどく断片的
高峰 秀子 / わたしの渡世日記〈上〉 amazon
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面影が、塩を焼く煙のようにゆらゆらと消えずに立つ
島尾 敏雄 / 出孤島記 amazon
電話番号を憶えているか不安だったが、実際に電話を前にボタンを押してみると、すぐに思い出した。
伊坂 幸太郎 / ラッシュライフ amazon
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口惜しい想い、嫉妬の記憶が、裾野に霞のかかった春の山の風景さながらに回想される
辻井 喬 / 暗夜遍歴 amazon
ナツ先輩の声が耳の中でくるりと転がる。
朝井 リョウ / 僕は魔法が使えない「もういちど生まれる (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
次第次第に夜が明けるように蘇 りはじめた。
夢野久作 / ドグラ・マグラ
まっ黒な過去のドアがかすかにきしんで、最初の曙光が射しこんでくる
ウィリアム・アイリッシュ / 黒いカーテン amazon
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