冷や飯はざるにあけて水でよく洗う。米の粘りをとり、さらりとした口当たりにするためである。

（冷や汁）口の中のある部分は冷たさを感じ、舌では温かさを感じる。そして、この温度差のある味わいは混ざる間もなく喉を通過していく。熱すぎず冷たすぎず、かといってぬるいというわけでもない。本当に不思議な食感だ。

ふぐ鍋やすっぽん鍋は鍋そのものよりも最後の雑炊を楽しみにするご飯通が増えている

ご飯は洗って粘り気を除く。サラサラと喉の通りが絶妙。

冬の味覚であるカキをダシで煮立ったご飯へ混ぜて、一二分で火を切り、煮えすぎないうちに食べる

炊き上げた熱々の飯に、海苔をまぶしネギと柚子と山葵の薬味を乗せ、かなり塩味のダシを注いでサラサラとかっ込む

飯といっしょににぎる魚や貝がやたらに大きく厚く、飯がすくなくて、まるで刺身でも食べているような鮨

米はパサパサした、いわゆる外米

常客のひとりが、いつか私に、 「松つぁん（寿司屋のあるじ）は、いのちがけで鮨をにぎっとるからねえ」 　しみじみと、ささやいたことがあった。 　にぎっているときのあるじの両眼は、たしかにするどい。 　全神経を張ってにぎっている感じがするときがある。 　にぎり終えて客の前に出すとき、あるじの顔に、ほっとした微笑が浮ぶ。 　よくはわからぬが、にぎりつづけて一日が終ったときの疲れは相当のものにちがいない。

芋粥とは山の芋を中に切込んで、それを甘葛（あまづら）の汁で煮た、粥の事