日の光は、相変わらず目の前の往来を、照り白 ませて、その中にとびかう燕 の羽を、さながら黒繻子 か何かのように、光らせている。
芥川龍之介 / 偸盗 ページ位置:29% 作品を確認(青空文庫)
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燕(つばめ)
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前後の文章を含んだ引用
......を高くあげて、胸のあたりに燕 の糞 をつけたまま、寂然 と境内 の昼を守っている。――次郎は、ここへ来て、始めて落ち着いて、自分の心もちが考えられるような気になった。 日の光は、相変わらず目の前の往来を、照り白 ませて、その中にとびかう燕 の羽を、さながら黒繻子 か何かのように、光らせている。大きな日傘 をさして、白い水干 を着た男が一人、青竹の文挾 にはさんだ文 を持って、暑そうにゆっくり通ったあとは、向こうに続いた築土 の上へ、影を落とす犬もない。 次郎は......
単語の意味
往来(おうらい)
燕(つばめ・つばくら・つばくろ・つばくらめ)
往来・・・1.行き来(いきき)。行ったり来たりすること。
2.道路。通り。
2.道路。通り。
燕・・・ツバメ科の鳥。背や翼は光沢ある青黒色で、顔と喉(のど)は栗色、腹は白色の渡り鳥。尾は長く、二つに割れている。日本には春にやってきて民家に巣を作る。秋に去る。作物や樹木の害虫を捕食する、代表的な益鳥(えきちょう)。
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燕のひるがえるのを眺めて
岡本かの子 / 巴里祭
燕が、地面すれすれを滑空し、舞い上がり、高く空に消えた。おれたちは飛べるのだと、羽根のない動物に見せつけているようだ。
あさの あつこ「ガールズ・ブルー (文春文庫)」に収録 amazon
燕が中空を滑るように横切っていく。
あさの あつこ「ガールズ・ブルー〈2〉 (文春文庫)」に収録 amazon
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秋空の蒼さを截(き)り裂くような鵙(もず)の鋭いさえずり
永井 路子 / 朱なる十字架 amazon
黒猫のような(烏の)目つき
深沢 七郎 / 楢山節考 amazon
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