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ひーちゃんは線香花火に似ている。とてもきれいで、繊細で、ずっとずっと見ていたいのに、ふるふると震えて今にも消えてしまいそうな危うさを、いつも抱いている。 それは、心の中にあるものすべて、あたしに隠し続けていたからだ。
朝井 リョウ / ひーちゃんは線香花火「もういちど生まれる (幻冬舎文庫)」に収録 ページ位置:94% 作品を確認(amazon)
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儚げな人
嘘をつく・ごまかす・隠し通す
線香花火・手持ち花火
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前後の文章を含んだ引用
......、好きって伝え合える関係なんだよ、そんなにもしあわせなことってないよ。「ひーちゃん」 あたしが名前を呼ぶと、ひーちゃんはあたしの目を見てくれる。いつもそうだ。 ひーちゃんは線香花火に似ている。とてもきれいで、繊細で、ずっとずっと見ていたいのに、ふるふると震えて今にも消えてしまいそうな危うさを、いつも抱いている。 それは、心の中にあるものすべて、あたしに隠し続けていたからだ。「あたしたちの関係が壊れちゃうなんて、そんなこと、あるはずないよ」 あたしはベッドのそばにしゃがんで、ひーちゃんの目と同じ高さになった。「そんなの、あたしたちに......
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儚げな人の表現・描写・類語(人の印象のカテゴリ)の一覧 ランダム5
影のようにひっそりと、風のように軽く、すべりこむように彼女が入ってきた。
「アムリタ(下) (新潮文庫)」に収録 amazon
等は時折どんなにじっと見つめていてもそこにいない気がした。眠っていても、私はどうしてか何度も心臓に耳をあてずにはいられなかった。笑顔があまりにもぱっと輝くと思わず瞳をこらして見てしまった。彼はいつもその雰囲気や表情にある種の透明感を持っていた。だから、こんなにはかなく心もとなく感じるのだろう
吉本 ばなな / ムーンライト・シャドウ「キッチン (角川文庫)」に収録 amazon
彼は眼の前の彼女の体が、次第に容積を減じ生命の充溢を失い、どこかへ、粉のようにとびちってしまうかのように想像する。
野間 宏 / 顔の中の赤い月「暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
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嘘をつく・ごまかす・隠し通すの表現・描写・類語(心の交流・意思の疎通のカテゴリ)の一覧 ランダム5
(信頼させる)彼の仕事は、クリニックに入会することが決まった男たちの血圧や尿を調べ、健康診断書をあたえることだった。神妙にこの儀式を受けると、植毛クリニックに対する信頼はぐっと深まるらしい。入会金二十万円をみんな即金で払っていく。
林 真理子 / てるてる坊主「最終便に間に合えば (文春文庫)」に収録 amazon
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線香花火・手持ち花火の表現・描写・類語(夏のカテゴリ)の一覧 ランダム5
シュワシュワと独特の音をたてて、色とりどりの火花が染子の墓石の上に落ちる。
あさの あつこ「ガールズ・ブルー〈2〉 (文春文庫)」に収録 amazon
花火の玉がぷくぷくと震えながら光の線を飛ばしていた。 頼りない光が、下からあたし達の顔を照らしていた。
朝井 リョウ / ひーちゃんは線香花火「もういちど生まれる (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
さまざまな思いをたっぷりと含んで、まんまるに膨らんだあの光
朝井 リョウ / ひーちゃんは線香花火「もういちど生まれる (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
いちばん長く燃え続ける人は誰だろう。いちばんしあわせなひとはだれだろう。問いかけるように光は少しずつ大きくなって、やがてそれはなみだのような形になって、今にも落ちそうにふるふる震える。
朝井 リョウ / ひーちゃんは線香花火「もういちど生まれる (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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「心の交流・意思の疎通」カテゴリからランダム5
尻の割れた出鱈目
夢野久作 / ドグラ・マグラ
弟さんに、お目にかかれますか?」 「必要ありません」 あまりにもきっぱりと否定されたせいで、取り返しのつかない失言をしたような気分になった。
小川洋子「博士の愛した数式 (新潮文庫)」に収録 amazon
「人の印象」カテゴリからランダム5
威光に恐れて逃げる
夏目漱石 / 吾輩は猫である
人影も一層濃くなって
岡本かの子 / 巴里祭
首筋に触れたとき、体温は感じられなかった。露出した遺体の肌は一時間程度で冷たくなる。だが、脇の下に入れた手は、かすかに 温もりを感じた。絶命してから一時間以上、数時間以内だろう。
翔田 寛「真犯人 (小学館文庫)」に収録 amazon
その無技巧 の丸い眼と、特殊 の動作とから、《…略…》「まるで、金魚の蘭鋳 だ」 と笑った。
岡本かの子 / 金魚撩乱
「夏」カテゴリからランダム5
全てのものがうだってしまいそうな真夏の午後のひと時
石坂洋次郎 / 丘は花ざかり amazon
あんまりお天陽様が強いので、何もかもむき出しにぐんにゃりしている。
林芙美子 / 新版 放浪記
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