霧にぬれ透 った登山服や毛布なども並みたいていの重さではありません。
芥川龍之介 / 河童 ページ位置:3% 作品を確認(青空文庫)
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霧・かすみ・もや
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......を出しました。けれどもそれらは見えたと思うと、たちまち濛々 とした霧の中に隠れてしまうのです。そのうちに足もくたびれてくれば、腹もだんだん減りはじめる、――おまけに霧にぬれ透 った登山服や毛布なども並みたいていの重さではありません。僕はとうとう我 を折りましたから、岩にせかれている水の音をたよりに梓川の谷へ下 りることにしました。 僕は水ぎわの岩に腰かけ、とりあえず食事にとりかかりました。コ......
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霧・かすみ・もやの表現・描写・類語(雨・霧のカテゴリ)の一覧 ランダム5
水のように濃くこめた霧
小林多喜二 / 蟹工船
霧とまではいえない九月の朝の、煙 った空気
有島武郎 / 或る女
標識はまるで誰かが息でも吹きかけてくれたかのように、一瞬だけ切れた霧の中から現れた。
吉田修一「悪人」に収録 amazon
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フロントガラスに転がる水滴が、夏の丸い虫そっくりだと思う。背中の球面に森全体を映す小さな虫そっくりだと思う。
村上 龍 / 限りなく透明に近いブルー amazon
木々の間に隠れていたらしい小鳥たちは飛び去り、絡み合った枝はうな垂れ、やがて目に映るすべてのものが雨に覆われていった。土の溶けてゆく匂いがした。
小川洋子「博士の愛した数式 (新潮文庫)」に収録 amazon
雨が寸分の隙間もなく天地を閉じ込める
谷崎 潤一郎 / 痴人の愛 amazon
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