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有島武郎 / 生まれいずる悩み ページ位置:35% 作品を確認(青空文庫)
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夜明け
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前後の文章を含んだ引用
......破り始める。物すさまじい朝焼けだ。あやまって海に落ち込んだ悪魔が、肉付きのいい右の肩だけを波の上に現わしている、その肩のような雷電峠の絶巓 をなでたりたたいたりして叢立 ち急ぐ嵐雲 は、炉に投げ入れられた紫のような光に燃えて、山ふところの雪までも透明な藤色 に染めてしまう。それにしても明け方のこの暖かい光の色に比べて、なんという寒い空の風だ。長い夜のために冷え切った地球は、今そのいちばん冷たい呼吸を呼吸しているのだ。 私は君を忘れてはならない。もう港を出離れて木の葉のように小さくなった船の中で、君は配縄 の用意をしながら、恐ろしいまでに荘厳 なこの日の序幕をながめているのだ。......
単語の意味
藤色(ふじいろ)
紫(むらさき)
藤色・・・藤の花の色。藤の花に似た薄い紫色。
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夜明けの表現・描写・類語(時間帯(朝・昼・夜)のカテゴリ)の一覧 ランダム5
いつの間にか窓越しの空がかすかに白くなった。
阿刀田 高 / 恋は思案の外「ナポレオン狂 (講談社文庫)」に収録 amazon
まだ夜の気が薄暗くさまよっている
有島武郎 / 或る女
まだニワトリすら鳴いていない時間
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 amazon
東のそらがぼうっと銀いろになって
宮沢賢治 / セロ弾きのゴーシュ
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「時間帯(朝・昼・夜)」カテゴリからランダム5
ゆるやかな坂に沿って並ぶ店のウインドウが、ずらりと夜に浮かぶ
吉本ばなな / うたかた「うたかた/サンクチュアリ」に収録 amazon
雑木林が黒い塊となって夕焼けの美しさを引き立てる
遠藤周作 / 尺八の音「何でもない話」に収録 amazon
山々が夕陽の最後の光を映して薄紫に輝き、頂きのなだらかな線をしばらく黒く強く暮れ残る薄白い夕の空にきわだって見せていたが、やがて潮が引くように次第に暮の色が山並から下りて来る。
野間宏 / 第三十六号「暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
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