突然水ぎわに走りよった奔馬が、そろえた前脚 を踏み立てて、思わず平頸 を高くそびやかしたように、山は急にそそり立って、沸騰せんばかりに天を摩している。
有島武郎 / 生まれいずる悩み ページ位置:80% 作品を確認(青空文庫)
この表現が分類されたカテゴリ
山
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......いぶりの分水嶺から分かれて西南をさす一連の山波が、地平から力強く伸び上がってだんだん高くなりながら、岩内の南方へ走って来ると、そこに図らずも陸の果てがあったので、突然水ぎわに走りよった奔馬が、そろえた前脚 を踏み立てて、思わず平頸 を高くそびやかしたように、山は急にそそり立って、沸騰せんばかりに天を摩している。今にもすさまじい響きを立ててくずれ落ちそうに見えながら、何百万年か何千万年か、昔のままの姿でそそり立っている。そして今はただ一色の白さに雪でおおわれている。そし......
単語の意味
奔馬(ほんば)
摩する(まする)
奔馬・・・勢いよく走る馬。狂ったように走る馬。
摩する・・・届くかどうかのスレスレまで近づく。ギリギリまで迫る。接近する。
ここに意味を表示
山の表現・描写・類語(地上・陸地のカテゴリ)の一覧 ランダム5
影絵のように向こうの白い山はだに影が映る
遠藤 周作 / 何でもない話 amazon
こめかみを押しつけるような冬山の森厳な沈黙
大仏 次郎 / 雪崩 (1953年) amazon
(植林した山)ひとつの山でも、日当たりや土の状態を見て、杉とヒノキの両方を植林することがある。土が瘦せていて日当たりが多少悪いほうが、杉にとってはいい。だからたいてい、八合目より下に植える。反対にヒノキは、山のうえのほうに植える。水はけと日当たりがいい場所を好み、杉よりは寒さや雪に強いからだ。
三浦 しをん「神去なあなあ日常 (徳間文庫)」に収録 amazon
青々とした美しい山肌がその遠目鏡で見ると、樹木がまばらで野猪の皮膚のようであった。
宮本百合子 / 伸子
このカテゴリを全部見る
「地上・陸地」カテゴリからランダム5
山が破裂するのではないかと思われるほど激しい山鳴り
井上靖 / 小磐梯 amazon
暑さによどみ、がっくり肩を落とした木造の家並み
安部 公房 / 第四間氷期 amazon
同じカテゴリの表現一覧
地上・陸地 の表現の一覧
風景表現 大カテゴリ