じりじりと砂をかむような時間がゆく。
吉本 ばなな / ムーンライト・シャドウ「キッチン (角川文庫)」に収録 ページ位置:68% 作品を確認(amazon)
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時間が止まったように虚しい日々
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前後の文章を含んだ引用
......ような楽しいこともあるに違いない。光が降れば。朝が来れば。 いつもいつもそう思って歯を食いしばったが、立ち上がって川原の景色に行く力のない今は、ただ苦しかった。じりじりと砂をかむような時間がゆく。私は川原に今行けば、本当に等がさっきの夢のように立っている気さえした。気が狂いそうだった。腐りそうだった。 私はのろのろと起き上がり、お茶を飲もうと台所へ歩いた......
単語の意味
砂を噛む(すなをかむ)
砂(すな)
砂を噛む・・・まったく面白くない、という意味のたとえ。つまらない。味気ない。ニラを噛む。
砂・・・岩石が細かくなったもの。岩が徹底的に砕かれたもので有機物が含まれていない。そのため、土(有機物が含まれる)と違って、植物は育ちにくい。砂場や砂漠に雑草が生えにくいのもこのため。
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僕は朝七時に起きてコーヒーを淹れ、トーストを焼き、仕事にでかけ、外で夕食を取り、二杯か三杯酒を飲み、家に帰って一時間ばかりベッドの中で本を読み、電灯を消して眠った。土曜日と日曜日には仕事をするかわりに朝から何軒か映画館をまわって時間を潰した。そしていつもと同じように一人で夕食を取り、酒を飲み、本を読んで眠った。そんな風にして、ちょうどある種の人々がカレンダーの数字をひとつずつ黒く塗りつぶしていくように、僕は一ヵ月を生きてきた。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
世界中が動きつづけ、僕だけが同じ場所に留まっているような気がした。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
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みんな帰っていった後の部屋はいつもより暗く感じる。光が弱くなったのではなく、光源から僕が遠去かったようだ。
村上 龍 / 限りなく透明に近いブルー amazon
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