恋という言葉で見られねばならぬような間柄（あいだがら）

私にはわかっていた。勘でもなく、念力で取り込んだのでもない。はじめて会った時から、 「放っておいても私とこの人は一度は生活を共にするだろう。」 　と普通に思っていた。熱望でもなく、夢でもなかった。ただ、そうなって当然という気運が２人の間にあった。

親子ほど年が離れたカップル

（元サヤ）彼女の唇の感触に、狂おしい懐かしさと喜びの記憶がよみがえってきて泣く

目と目で物を言うようになるんや、男と女はなァ

火のように、いつまで燃えつづく情炎と、それに耐えうる豊満（ほうまん）で厚艶な肉体の所持者

震い付きたくなるほどの美人

美少女というより美少年といいたくなるような顔立ちの娘

澄していても何となく微笑の俤（おもかげ）があるのは、豊かだがういういしい朱の唇が、やや上弦の月に傾いているせいでもあろうか。それは微笑であるが、しかし、微笑以前の微笑である。

内心に敵意を押（おさ）え切れないほど真佐子は美しくなっていた。