人よ、攀 じ難いあの山がいかに高いとても、飛躍の念さえ切ならば、恐れるなかれ不可能の、金の駿馬 をせめたてよ。――実につまらない詩だけれども、才子と見えて実に巧 い言葉を知っている。
林芙美子 / 新版 放浪記 ページ位置:14% 作品を確認(青空文庫)
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頭がいい
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......イル・ヴェルハアレンの「世界」と云う詩を読んでいるとこんな事が書いてあった。何もかもあくびばかりの世の中である。私はこの小心者の詩人をケイベツしてやりましょう。人よ、攀 じ難いあの山がいかに高いとても、飛躍の念さえ切ならば、恐れるなかれ不可能の、金の駿馬 をせめたてよ。――実につまらない詩だけれども、才子と見えて実に巧 い言葉を知っている。金の駿馬をせめたてよか……窓を横ぎって紅い風船が飛んで行く。呆然たり、呆然たり、呆然たりか……。何と住みにくい浮世でございましょう。 故郷より手紙が来る。 ――......
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(優等生は)実に厭らしいほど冷静に技術者のように話し合っていた、良い成績をとる技術者だ。
大江 健三郎 / セヴンティーン「性的人間 (新潮文庫)」に収録 amazon
いわゆる頭のいい人は、いわば脚の早い旅人のようなものである。人より先に人のまだ行かない所へ行き着くこともできる代わりに、途中の道端あるいはちょっとした脇道にある肝心なものを見落とす恐れがある。
寺田 寅彦 / 科学者とあたま amazon
彼奴のアタマは聖徳太子と同様二重三重に働く
夢野久作 / ドグラ・マグラ
(頭が良すぎて時々ついていけない)脳内にはおそらく、彼の思考スピードに合わせてこしらえられた高速サーキットのようなものがあり、彼は時々そこで本来のギアを使った走行を一定時間こなさなくてはならないのだろう。そうしないと──つくるの凡庸なスピードにつきあってローギア走行を続けていると──彼の思考システムは過熱し、微妙な狂いを見せ始めるのかもしれない。そんな印象があった。しばらくすると灰田はそのサーキットから降りて、何ごともなかったように穏やかな笑みを浮かべ、つくるのいる場所に戻ってきた。そして速度を緩め、またつくるの思考のペースに合わせてくれた。
村上 春樹 / 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 amazon
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