世界中が動きつづけ、僕だけが同じ場所に留まっているような気がした。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 ページ位置:2% 作品を確認(amazon)
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時間が止まったように虚しい日々
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......業できる見込みはなく、かといって大学をやめるだけの確たる理由もなかった。奇妙に絡みあった絶望的な状況の中で、何ヵ月ものあいだ僕は新しい一歩を踏み出せずにいた。 世界中が動きつづけ、僕だけが同じ場所に留まっているような気がした。一九七〇年の秋には、目に映る何もかもが物哀しく、そして何もかもが急速に色褪せていくようだった。太陽の光や草の匂い、そして小さな雨音さえもが僕を苛立たせた。 何度......
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僕は朝七時に起きてコーヒーを淹れ、トーストを焼き、仕事にでかけ、外で夕食を取り、二杯か三杯酒を飲み、家に帰って一時間ばかりベッドの中で本を読み、電灯を消して眠った。土曜日と日曜日には仕事をするかわりに朝から何軒か映画館をまわって時間を潰した。そしていつもと同じように一人で夕食を取り、酒を飲み、本を読んで眠った。そんな風にして、ちょうどある種の人々がカレンダーの数字をひとつずつ黒く塗りつぶしていくように、僕は一ヵ月を生きてきた。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
世界中が動きつづけ、僕だけが同じ場所に留まっているような気がした。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
じりじりと砂をかむような時間がゆく。
吉本 ばなな / ムーンライト・シャドウ「キッチン (角川文庫)」に収録 amazon
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